存在感が薄い?ユーロの今後 その3

あまり報道されていませんが、フランスではEU憲法を批准するかどうかの国民投票で否決されています。つまりフランスはEUに加盟はしているけれど憲法は自国のものを変えないというわけです。さらに平たく言うと、経済ではEU諸国と歩調を合わせるが政治は別だということです。この投票結果は今も有効なので、フランスはEU憲法を批准していません。

そのフランスで、今度はEU離脱の声が出ています。もともとフランスは右寄りな政治思想の人が多いので、EUに何もかも決められるのは困るという懐疑的なスタンスでした。単一通貨のユーロに加盟はしていますが、イギリスのようにもしかすると参加したくなかったのかも知れません。

しかし、EU加盟国の中ではドイツに次いで2番目の経済規模を持つ国なので、否応なくユーロ相場に影響を与えます。フランスで政治的な動きがあると、ユーロ相場が敏感に反応します。フランスで何か起きるとしたらEU離脱の方向だと思うので、ユーロ安の圧力がかかります。フランスが抜けてしまうと、ユーロの信用が低下するということなのでしょう。

この部分はFX投資家にも大きく関わりがある部分です。特に今は国民戦線という政党のルペンという女性党首がかなり過激な発言を繰り返しています。その勢いはアメリカのトランプ大統領と似ているので、次期大統領ではないかとも目されています。

この人が大統領になると、フランスやEU、そしてユーロはどうなるのでしょうか。

引き続き、フランスで人気を集める「フランスのトランプ」と呼ばれるルペン党首の動向とユーロ相場について述べていきましょう。

このルペンという人が掲げる最大の政策は、移民の排斥です。特にイスラム教徒が槍玉に上がっていて、新規のモスク建設を禁止することや移民の流入を制限する政策を次々と打ち出して熱狂的な支持を集めています。アメリカのトランプ大統領が選挙期間に見せた人気と全く同じですね。

トランプ大統領が当選した後は株高とドル高が起きました。これは実業家であるトランプ氏の手腕が経済政策に向くということが好感されたからです。事実、アメリカの株高は相当なもので、これだけで大儲けした投資家はたくさんいると思います。

では、フランスでもルペン大統領が誕生したらフランスが加盟しているユーロ高になるか?それについてははっきりとは言えませんが、おそらく逆でしょう。ユーロ安要因となると考えるほうが、自然です。

理由は簡単で、前回述べた通りEU圏内で第2位の経済力を持つフランスがEUと距離を置き、やがて離脱という流れになるとユーロの信用が揺らぎ、おそらくほとんどの市場参加者は「事実上のドイツマルク」と見なすようになるでしょう。

いよいよユーロの信用力を国際的に支えているのはドイツだけ、と見なされるわけです。