存在感が薄い?ユーロの今後 その1

トランプ政権の誕生によって、すっかり注目度が薄れたと感じるのがユーロ圏です。少し前まではイギリスのEU離脱問題や、その前にはギリシャをはじめとする財政危機問題など、世界経済の話題をユーロ圏が独り占めにしていた時期もありました。

ユーロ圏そのものの経済規模だけでは世界経済に大激震を起こすということはないと思いますが、依然として表には出てこないようなドロドロとした問題がくすぶり続けていることにも注目をしておく必要はあるでしょう。なぜなら、ユーロはアンチドル通貨として長らく米ドルとシーソーのように投資マネーが行ったり来たりする地位を守り続けているのですから。

ユーロの今後を考える際に重要なのは、そもそも統一通貨ユーロはこれからも存在し続けるの?という懸念です。イギリスは最初からユーロを使用していないので通貨としてのユーロに直接の関係はありませんが、他のユーロ加盟国が自分も離脱するというドミノ現象が起きると、最終的にユーロを使用している国はドイツとフランスだけになってしまうというジョークもあります。そうなるとユーロへの信頼が揺らぎ、大暴落という事件が起きてしまいます。

最近では仮想通貨が流行っていますが、そもそもユーロも仮想通貨からのスタートでした。ユーロが正式に発足する前にXEUという仮想通貨が売買されており、ドイツやフランスなど現在のEU主要国の経済情勢によってXEUが上下するという連動性もありました。それが正式にユーロ発足となり、紙幣も発行されたことで仮想通貨ではなくなり、ユーロ圏という単一の経済圏で流通する通貨となったのです。

EUにはドイツ、フランス、イギリス、イタリアといった世界GDPランキングで上位に入るような国がいくつもあったので、ユーロは信頼される通貨となりました。しかし、ギリシャ問題で「ユーロ加盟国は危ないのでは?」という懸念が持ち上がり、イタリアやポルトガルなどにもそれが飛び火してユーロそのものへの危機感が再燃したのです。

これはその後収束しましたが、トランプ政権に世界中が注目しているといってもユーロ圏のこの状況が終わりになったわけではありません。依然としてギリシャは破たん寸前ですし、ドイツ銀行では巨額の不良債権が発覚したりしています。

人類の夢という表現までされたユーロですが、その中身はかなり危うい状態であると考えるべきでしょう。