FXトレードテクニック 両建てその6


両建てを活用する方法には、3つの種類があります。

今回から3回にわたって、その3つの方法を順に解説していきます。


1つ目は、「ヘッジ両建て」。

これについては、前回に実例をもとに解説したものとほぼ同じです。

この名前を紹介する前に手法だけ解説したのは、それだけ利用局面が多いからです。

あるポジションが損失を出している時のリスクヘッジ、それ以上の損失を食い止めるためのリスクヘッジです。

その時にも述べていますが、本来は損切りが最大のリスクヘッジですが、どうしても人間心理としてそれをやるのは抵抗があるという人のために有効な手法です。

前回の例と同じくドル円=100円で買いポジションを建てたとして解説しますと、ドル安円高が進んで99円台、98円台となっていった場合の損失を食い止めることができます。

99.50円など節目にあたるような水準を割り込みそうだと判断したら、その時点で両建ての売りポジションを建てます。

そうすれば、それ以上円高が進んだとしても後から建てた売りポジションが利益になっていくので差し引きすると99.50円より先の円高損失は膨らみません。

この時点で損益が固定されるので、実は損切りしたのと同じことになります。

面白いのは、さらに円高が進んでどうしようもない事態になったとしても、両建てのまま2つのポジションを持っていれば利益になる可能性もあることです。

100円のドル円買いポジションが99.50円になれば50pipsの損失ですが、仮に99円を割り込んで98円台になろうとしていると判断して買いポジションを損切りすれば、以降の円高は差し引きすると利益になるのです。

災い転じて福となすというのは相場のためにあるような言葉ですが、ヘッジ両建てを活用すると、それを現実にできるわけです。